ヴィルヘルム・ハンマースホイ

用事があって上野に行ったので、帰りに国立西洋美術館でやってるヴィルヘルム・ハンマースホイの展覧会を見てきた。
「静かなる詩情」とタイトルがついてたけど、見てるとわたしはだんだん怖くなってきた。
「詩情」というより、「静かなる狂気」って感じなんですけど。。
どの絵も生気がなく、永遠の静謐があるばかり。
絵の中には暗い色調のドレスを着た後ろ向きの女性が一人いるだけ。
室内は異常なほど生活観がない。
見てるとどんどん緊張が高まってくる。
単なる室内なんだけど、よく見ると微妙に影の向きが違ったり、だれもいないと思ってたら、暗がりに女性がひっそり立っていたり。。
彼が描いた彼の妻は、顔色も悪くしみだらけで元気がなさそう。
絵をみてゆくうちに、その女性すらいない、室内の扉だけを描いた絵が何枚も。。
扉の向こうの扉も開いていて、何もない床には外の光が射しているばかり。その光だけがほっとする感じ。
テレビで紹介されたらしく、びっくりするほど大勢の人がいたので平気だったけど、もしこれが夜中の美術館だったら、、正気でいられないかも。
私にはとっても怖い絵でした。
でも美しい事は間違いない。
夕方美容院に行って髪を切った。
ここ10年くらいロングヘアだったけど、なんとなくショートにした。
鏡の中の自分は、決して美しくはないけど、生気があふれてて、
自分の顔にほっとした。