【ギタぽんが出来るまで】11 どっぷりはまる

心はそう簡単に入れ替わらない。(それができたら、ダイエットに成功してるはず)

わたしは独学タイプ。
だけど、「習う」というのは他人の流儀に従ってやること。
納得できなくても、まず先生を信頼して言ってる通りにやってみる必要がある。
これが、尊大な自尊心と薄汚れた猜疑心に満ちていた私にはなかなか難しかったです。

今ならわかる。
指の準備で音が消えてしまっても、そういう練習をする意味。
弾く前に弦をとらえれば、後は弾くだけなのでミスはなくなる。
弾いた直後、次の指が弦の近くにいるうちに次の弦をとらえるので、とらえ損ねることもなく、とらえてしまえば弾くだけだから、次の音もミスが無くなる>ミスが減る。
しかも、ぶっ叩き奏法だと音は荒れるけど、とらえてから弾くと、弦の振動方向が安定するからか、音も安定する。
タッチとフォームは表裏一体。
タッチを変えたいのなら最初にフォームを整える必要があったのだと思う。
右手の感覚が体に沁みこんでから、捉える時間を短くすればブツブツ切れていた音は繋がる。
フォームが整えば、指はリラックスしながらも、一瞬で確実に弦をとらえられるようになる。それがプランティングなんだと、今の私は思う。

それに、たとえ物理的に音がつながってなくても、気持ちを途切れさせなければ音楽はつながるとも教えられた。
「そんなスピリチュアルな、、」と思ったけど、、
「11月のある日」で、どうしても指がとどかなくて音が途切れる部分があったけど、強く気持ちをつないで弾くと、不思議な事に音楽が繋がって聞こえる。
何度も録音して自分でも確かめた。まるで魔法のようだ。
演奏にとって、心の中で発生する情動こそがすべてだ。それがなければ音楽にはならない。
音を発する前、弦をとらえている時にすでに情動が発生しているという事もおしえてもらった。
サリバン先生にウォーターをおしえてもらったヘレンケラーくらいの驚きと感動があった。

引き出しの多い先生には、本当に色んな事を教えてもらった。
ギターを習うのって、指の動かし方を習うんだとおもってたけど、大違い。
まるで魔法学校で人の心に火をつける方法を習っているようだった。

こんな風に書くと、一気にいろいろできるようになったみたいだけどそんなわけもなく。
しかも、心いれかわってないし。。言いたい事は言う。曲の好き嫌いをする。全然素直な子供どころじゃない。
「いつ私は上手になるんですか!」と苛立ったり(笑)。おばさんが、子供っぽさを全開にしてるだけじゃん。。
今思い返すと赤面です。失礼な生徒で本当に申し訳ありませんでした。

でも、何年も何年もかかったけど、確実にすこしずつ色々な曲が弾けるようになっていくのがすごくおもしろかった。
教え上手な先生の熱意に引っ張られて月に3回のギター教室に通い、ギターの調整までやってもらって、ギターにどっぷりはまっていった。

あゆむ先生には感謝しかないです。

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