【ギタぽんが出来るまで】26 再出願 特許査定

2つの塾に行っている間に知財に関しては紆余曲折があった。(これまでの特許の話はここ)

拒絶理由通知に添付されたアメリカの特許、どう考えても私が最終的に考え付いたアイデアとは違うと確信を持った。
でも、わたしの最終アイデアは特許明細の一番最後に図面は載っていたけど、請求項や内容にはそのアイデアが反映されてるかどうか判断できない。あんなに必死に文章読んでチェックしたけど、素人なので最後の方はもう力尽きてほぼ読めてなかったみたい。補正してなんとかなるようなもんじゃないかもしれない。
図面と文章だけでは先生に理解してもらえてなかったのかもしれないと思い、それまでメールでしかやりとりしてなかった弁理士先生のところに紙で動く模型を作って直談判に行った!
やっぱりリアルな面談は必要だと思う。模型の動きを見て、彼は即理解してくれた。「確かに違いますね。これなら取れるでしょう。」
「一回取り下げて、シンプルに複雑版ギタぽん一本でやりましょう」と言ってくれた。

簡易版のギタぽんを製品化するために実用新案を取りたいと言ったら、
「それは簡単。特許のために申請してあったものを実用新案に切り替えるだけです」とすぐに手続きしてくれた。
実用新案というのは、審査はないのです。そして、権利は弱い、というか、ほとんどない。
それでもいいや。商品のパッケージに印刷できるし。。
これは助成金ではなく実費でお願いした。まあ、出費は痛いけど特許ほどじゃないし、補助金で特許というすごい価値のあるものにチャレンジできるんだからと自問自答。
その頃になると、意味もなく【特許】というメダルが欲しくてたまらなくなっていた。知財の世界に洗脳されていたんですね。

そんな事で私が悩んでいても旦那さんは達観してて「リスクのないところに利益はないよ。」
なんてけしかけるけど、資金はわたしのへそくりだからね。。
大金を動かしたように思うかもしれないけど、たぶん世間の常識からしたらはした金なんですけどね。(笑)

塾がおもしろかったのとギタぽん試作づくりがおもしろかったので、しばらく知財のことはわすれて、だらだらと時間が過ぎて行った。

年が変わって、2018年、ある日ふと気づいた。このままでいくと、実用新案が公開される日が来る。
あの明細の中に、特許のアイデアの図面が書いてあるので、公開されてしまったら新規性が失われて、もう特許は無理じゃない?!
そのくらいの知識はわたしの身にも着いていた。

そのことを弁理士さんに言ったら、「その通りですね~」と言われた。(驚)
「じゃ早く特許の明細書いてください!急いでください!!」とめちゃくちゃ急がせて、公開前になんとか新たに特許出願。
間に合った~~
それが6月でした。(もう以前のような無駄なチェックはしない。)

8月に拒絶理由通知が来たけど、文章のちょっとした文法的なミスだったらしく、すぐに補正してくれた。

そして、2018年10月、複雑版ギタぽんが特許査定となる。
特許が取れたということです。
おめでとうございます、とあっけない幕切れ。。

2016年4月から始めて、2年半。
紆余曲折があって長いように感じたけど、振り返ってみると短い期間で取れたと思う。
特許に関しては、弁理士費用、登録費用は補助金でまかわれ、成功報酬だけ支払った。
今思い起こすと、まかせておけばよかったけど、わかりもしないのに私がコントロールを手離さなかったので、やりにくいクライアントだったろうと思う。
弁理士先生には感謝してます。

結果的に実用新案もゲットしたし安くあがったと納得する。
商標についてはゴタゴタあったけど、結果よければすべてよし。
そして、多少知財の知識も身に付いた。
知識ゼロから始めた事だったので、勉強代込みだと思えば、安かったと思う(ことにした)。
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