セゴビアまみれ

知らない人は知らないだろうけど、クラシックギターやってる人ならだれでも知ってるギタリスト「アンドレス・セゴビア」
中学の時にギターを手に入れて、適当に買ったレコードがセゴビアの2枚組LPでした。
卵から孵ったひよこが最初に見た物体を親と認識するように、私はセゴビアのギターがギター音楽だと思ってるらしい。
どんな演奏家かというと、現代のクラシックギター音楽を作った人。あらゆる意味で特別なヒト。
たとえは悪いかもしれないけど、美空ひばりのような感じ。
そういえば、このまえビールのCMでいい歌が流れてきたなと聞いてたら、美空ひばりだった。
http://www.kirin.co.jp/about/toku/ad/braumeister/index.html
30秒CM聴いてると途中からあのえげつないひばり節が聞こえてきて、納得します。ひばり節って好きじゃないんだけど、美空ひばりの歌は胸にしみて、やっぱり天才だと思う。
セゴビアもちょっと似てるよ。
ギターっていう楽器を完全に制御してる。ギターの減衰する音の伸びやビブラートを完璧に使いこなし、瞬時に幾通りもの音色を使い分け、時にいやらしいほどのポルタメントで美音の軌跡を残しながら音楽を歌い上げる。限りなく繊細な音を奏でるかと思うと、一転低音をとどろかせて変幻自在、幻惑されるような演奏をするのです。すごいよ、このおじさん。
スペインのしたたるような情緒がたっぷりてんこもり。
そのセゴビアの古い演奏をギターの先生にもらったので、ずーっと聴いてます。すごい曲数。同じ曲の違う演奏がくりかえしくりかえし。。リバーブがすごくかかったもの、残響が少なくて息遣いまで聞こえるようなもの、ステレオ録音ですらないもの、レコードの回転する雑音がはいったようなもの。。
もうギター弾くどころじゃないです。
これは宝の山です。
聴いても聴いても飽きない。通勤で聴いて、家に帰っても聴いて、寝るときも聴いて。朝起きたらipod鳴ってるしまつ。
あれですね、子供がデパートなんかにあるボールプールにダイブしてボールにまみれて遊ぶ気持ちと同じ。
好きなものにまみれて「あはははは」って感じ。
そのうち聴いてなくても頭の中で鳴り始めるんだよ。
人間の脳味噌って面白いねえ。。