縁(続き)

昨日一緒に行った、古書を扱っているという同年代の女性、らくちゃんと古い付き合いだという。実は私中高6年通して図書委員で本好き。車の中で話がはずむ。、「うちには古い別冊太陽が何冊かあるよ、遊もあるよ。たしか70年代の。」というと、「ええっ!松岡正剛の『遊』?!
「松岡正剛」を知っている人に初めて出あった。彼女は松岡正剛の編集の学校に行ったという。
神保町の古本祭りでお店を出すというので、古本好きの下の娘に行かせると約束。この出会いも縁の一つ。
もう一つの出会いは古本
萩原井泉水の句集「一不二」
この人、種田山頭火の師匠だったらしい。
昭和18年8月25日発行 初版本かもしれない。
日本は戦争へと向かっている時代。先生はたぶん17歳の青年だったはず。
ネットで調べると、これも俳句で「自由律俳句」というらしい。萩原の弟子には尾崎 放哉種田山頭火が有名という。
こんな文章読んだの初めて。情景がまざまざと見える。
  すべり臺(すべりだい)
とんぼの尾が赤くなると滑り台の上のてすり
取りのこされたやうなすべり台と秋の雲一つ
秋の太陽からすべっておりて、すな
水平線がすうっと秋になったすべり台すべらう
こども砂にゑがき秋は波が消しに来ない
このごろ雪の来た富士、長い釣竿なぎさを通る
いちにち遠い島がはれていて暮れた秋の星です
いいですねえ。。
今日会社帰りに一本違う道を通ると、古本フェアやってて、覗いたところで写真集「ぬけ道、より道、山頭火」というのを見つけて思わず買ってしまう。これもめぐり合いの一種かな。
そして、堀口大学の「月下の一群」を開くと、アポリネールのミラボー橋のページにメモが挟んであった。
結婚式のスピーチの原稿らしい、ほんの5行の短いメモ
1.祝い、新郎新婦および両親
2.アポリネールのミラボー橋
3.世の中はいろいろあって
        それだからこそ楽しい
4.永遠に流れる時の流れの
        ゆえある人間の 一生
シューベルト未完成交響曲
(そして、最後に一句 )
 秋のばら かほる やさしき風を 得て
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美しい。
先生、わたしは生きてらっしゃる時に会いたかったです。
この先生、いや俳人の名前は 高橋謙次郎
結社「冬草」の紹介ページはこちら
http://members3.jcom.home.ne.jp/fuyukusahp/