死者の書
岩波ホールで『死者の書』っていう映画を見てきました。
「した、した、した、かの人の眠りは醒めていった。。。」
十七弦琴の荘厳な演奏を背景に岸田今日子のナレーションがいにしえへいざなう。
眠りから醒めたのは大津皇子。
藤原の一の姫にたたるのは何故?
演じるのはすべて人形。
不思議な映画でした。
折口信夫原作、
テーマは執心と解脱。
見終わってテロップが流れる背景に能の音楽と謡が流れて、それを聞いているうちにすごく気持ちが高揚してきました。
夕暮れにどこかで子供がぐずって泣き出した。
何が悲しいのか、子供は気持ちのかぎりに、胸いっぱいの息を泣き声として吐き出す。そんな感じの笛の旋律のくりかえし。
バックでは鼓と謡がさらに情感をゆさぶる。
なんども繰り返すうちに、旋律に違う色がすこしずつ混じってゆき、最期はようようあきらめたような、大きな溜息とともに音は終わる。
音が終わるまで席を立つ人も少なく、会場はまるで魔法がかかったような状態でした。
こりゃあ、原作を読まないとなあ。。。
どうしてこんな映画を見たかというと、、
今日は娘の大学の入学式だったんだけど、ぎりぎりに行ったら父母席は満員で、講堂に入ったけど座れなかった。
立ったまま学園長のあいさつ聞いたところで、飽きて講堂から脱出しました。
そして、終わるまで、たまたま近くでやってた映画を見たというわけ。
いい選択であった。
ディスカッション
コメント一覧
おはよう!
竜子は今日は入学式でおやすみらしい・・・。
お弁当作ろうと張り切っていたのに!
ここに、一昨日書いたコメント消えてるのは、どうしてかな?
なんか変なとこ押したのかもね~?
はしょってもう一度。
なんだか面白そうな映画!
すごい嗅覚ねえ・・。
人形劇って、教育テレビとかでやってると何故か引き込まれて見てしまうけど、これもそんな感じだね。
しかも、声優陣が豪華!
執心と解脱。
興味深いね。
原作は理解できたの?
あれが全文なのかな?
地方での上映はないのよね、きっと。
嗅覚というか、ふらふらあるいてたら岩波ホールがあったのよ。上映時間も丁度つぶす時間とぴったりだったしね!
たぶん、理解したと思う。原作そのままの話だから。
多少時系列の入れ替わりはあるけど、
人形劇はほぼ原作に忠実に作られていた。
なんてことない話だけど、ディテールに神が宿るというか、
どのエピソードからも色々な妄想?が沸き出でてくるんですわ。
とりわけ自分古典文学にくわしいとも思わんのだけどね、沖縄民謡には古語がそのまま残ってて、音が先に耳に入り、後から意味が判ってゆくという過程で多少言葉に敏感になっているのかもしれんよ。
映画の中では説明もなく古語がそのまま使われていて、それがとっても良かった。
ひろしま弁にも古語が残ってるのも感じたね。
例えばね、(まだ、語るかよ自分!)
築土垣(つきひじがき)を築きまわしまして
>>死んだおばあちゃんなんかは垣根のことを「ついがき」と言ってたよ。
反閇(あしぶみ)ぞ。もっと声高(こわだか)に――。あっし、あっし、それ、あっしあっし
>>AではじまりSで終わる掛け声、
わっしょいわっしょい、エイサーエイサー
みな同じ語源ではない?
なむ あみだ ほとけ あなとーとー あみだ ほとけ
>>沖縄の仏壇で唱える言葉「うとーとー、うとーとー」
あなとおと、を祝詞のように口を「O」の形で唱えれば、
おのとーとー でしょ? 「あな」が「非常に」という意味で使われる時代を過ぎても使われ続けたら、「おーとーとー」または「うーとーとー」になるよ。
しかものっけから十七弦琴の音!私昔琴やってたでしょ?師匠は十七弦を弾く人だったのよ。あれは実際に弾くのを見るとかっこいいんだなー。