離島トカラに生きた男

図書館に本を返しに行くと、いつもリサイクル図書コーナーをのぞきます。このコーナーは、「いらなくなった本です。だれかもってってください」という棚なのですが、そこに一冊の本を見つけました。
離島トカラに生きた男[第一部]/流浪・開墾・神々/中野卓 ★☆ 1981年御茶の水書房発行【 叢書ライフ・ヒストリ-(3) 】
これが、、読みにくいけど超面白かった!
トカラ、中之島の集落に住む老人の口述の生活史。
但馬から大陸、関東、四国、九州、奄美を経てトカラに流れ着き、戦中戦後島で苦労して開墾農業の生活を送り、家族を持ち子供を育てた一人の男のお話です。
アメリカ軍占領下での密貿易、十島丸を没収されたり、それに乗っていた村長が捕まった話とか。
アメリカ人に「逆らったらニューギニアに遠島するぞ」と脅された話とか非常に面白いです。
離島の山の中で一家で開墾農業というだけでもきびしいのに、島の人間からよそ者として迫害に近いものを受け、その結果精神を病んで「神憑り」状態になります。
医者もいない山の中で、ここまで精神を病んでしまって、これからいったいどうやって回復してゆくんだろうと、興味しんしんになったところで、第一部が終わってしまいました。
続きが読みたいよお!
調べたら、国会図書館に蔵書がありました。借りに行こうか、でも電車代考えたら、ネットで買っちゃおうか。。
拾った本でここまでディープに面白い本は初めてです。
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ところで、トカラ列島って知ってますか?
http://www.aruzou.com/tokara/top.htm
外国の島のようですが、鹿児島県の離島です。
トカラの事を初めて知ったのは、転勤で鹿児島に1年間滞在していた時、遊漁船の船長さんから聞きました。
海の話、魚の話、いるかの話、怖い話。
宝島とか悪石島とか妄想を掻き立てるような名前の島々。
ボゼ神っていう、まるでニューギニアのジャングルから出てきたような神様のいる島。http://www.aruzou.com/tokara/boze.htm
楳図かずおのマンガに出てきた悪石島の描写!
吐喝喇とか吐火羅という文字を見ると、口から火を吐き出してる竜のイメージが浮かびます。
そうそう、2009年の皆既日食は、日本ではトカラのみで観察できるそうです。
http://www.aruzou.com/tokara/nisyoku.htm
行って見たいなあ、トカラ。。。
行って見れば、きっと自然の美しい離島なんでしょうが、私の中の『トカラ』っていう妄想の世界は壊れるね。
やっぱり、行かない方がいいのかな。