【ギタぽんが出来るまで】02 鹿児島2

鹿児島の海は美しい。
つり新聞の仕事やって興味が出たのもあるけど、釣り好きの父に錦江湾で釣りをさせたくて、釣り船をさがした。
そして知り合ったのが、釣り船の船長で、みんなからずばり「船長」とよばれる鹿児島の漢(おとこ)だ。

顔は上野の「西郷どん」!(に見えた)
あの銅像に短パンTシャツビーチサンダルが「船長」
頭の回転が良くて親分肌で鹿児島弁のおもしろいおじさん!
(実は若者だったが)
初対面で船にのせてもらった日、錦江湾で船の運転させてくれた!
どんなにスピードだしても、ぶつかるものがない広い空間!!そびえるでっかい桜島と鹿児島市に囲まれた錦江湾。
船長が、「船尾の手すりを持ってはだしで船の外に立ってみろ」というので、言う通りにしたら、いきなりトップスピードで走り出した。
振り落とされないように必死になる、本物の恐怖と爽快感!
上を向くと目の奥が黒くなるほど明るくて青い鹿児島の空、足を濡らす潮のしぶき、海風の香り、焼けたエンジンの臭いと、加速のG!!
今でもまざまざと思い出す。
エンジンの轟音が止まった時、それまでぼんやりグレーだった世界に鮮やかに色と音がもどっていた。
何と自分は単純な人間なんだろう。

この船長は私の鹿児島生活の「キーパーソン」で、彼を中心に面白い友達がたくさん出来た。
そのうちの一人に、SF好きで理論物理学に興味があって国立大学の物理学部に入ったけど、思ってたのと違うといって辞めて、プロの作曲家として活動してる青年がいた。この人はパソコンソフトに詳しく、ストラダという3Dのソフトを教えてもらったり、ネット上で交流してた。
彼はあとで関わるので特別に紹介しておく。

結局、父は鹿児島には遊びに来なかったけど、私は釣りに何回か行った。
サビキのアジ釣りで、アジの代わりにちこ鯛が鈴なりにつれたり、100頭くらいのイルカの大群に出会ったり、カンパチをジギングで釣る経験もした。

釣りのイメージがガラリと変わった。
釣りは気の短い人がやるものだ。
頭の中は、水面下の様子を想像してフル回転。
イメージの中でジグをしゃくり魚を挑発する!
そして、カンパチがかかった瞬間、全身に強烈なエネルギーが走る!(結局バラしちゃったけど・・)

自然はエネルギーだ!

そんな事を教えてくれた、船長は私の魂の恩人です。

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