【ギタぽんが出来るまで】17 レオナルド・ブラーボ先生

父の死から半年も経っただろうか、やっと通常の気持ちに戻った。
「死」とは、冷たくカチカチになって動かなくなって肉体が無くなってしまう事だ!
そうなるまえに、生きてるうちに、やりたいことはやっておくべきだ!そうだ、やりたいことは教本の出版だった!

そういえば、もうひとつ別の音楽系出版社へのアプローチ方法がある!
ずいぶん前に広島のギター合宿で知って大好きになったギタリスト、「レオナルド・ブラーボ」さんのコンサートが、GGホールであった。
打ち上げに参加させてもらって、隣にすわっていた紳士が現代ギターの社長さんだった。
あの時オープンチューニングの教本の話をして名刺もらってたはず。

「おもいついたらエネルギーがあるうちに動け!さあ、電話をかけるんだ、みたぽん!」と自分を鼓舞して連絡したら覚えてくださってて、話を聞いていただけることになった。

と書くのは簡単だけど、知らない会社にアポとって、出向いて何かをプレゼンするなんて、毎回本当に緊張するし、エネルギーがいる。
十分悩んだ挙句の行動なんです。でもやると決めたら、勇気を出して行動!
ステージ経験、コンクール経験はそういう意味で人生の役立っているわけだ。

喉から出そうな心臓を押さえ込み、勇気を振り絞って、気合いを入れてドアをノックする。
プレゼンは、編集の方も一緒に聞いてくださった。(その節はありがとうございました)
反応は、、「面白いです。が、出版社は売れるものしか作れないのです。だから、まずオープンチューニングの教室を広める活動からされてはいかがですか、、」と。

どこの出版社でも同じ意見だな。その通り、まさしく正論だ。自分は何を夢見ていたんだろう。
ああ恥ずかしい。。私ってなんて非常識な世間知らずのおばちゃん。。
意気消沈して、エレベーターで降りる途中、GG学院のチラシを見た。講師蘭に「レオナルド・ブラーボ」?!

「そうか、、ブラーボさんここで教えているのか」
ありったけの勇気を振り絞ってやってきた最後の望みの現代ギター、手ぶらでここから帰るのがくやしいという思いがどこかにあったのだと思う。
降りるエレベータの上ボタンを押してショップまで戻り、その場で教室に申し込んだ。
ブラーボ先生は骨折のためにお休みしてたけど、復帰したばかりで、丁度枠が空いていたのでした。

こうやって振り返ると、自分は本当に思い付きで行動してる。

でもね、これは「本末転倒」じゃない。「人間万事塞翁が馬」!

前へ 次へ